
これは本当にとりとめのない、久米島最終日ハテの島での話。
久米島へ行った最終日に立ち寄ったハテの浜で、島から出ようとしているけど、南風の逆風でずっと飛び立てない海鳥がいた。
台風の吹き返しの影響なのかこの日もずっと島の南側からの風が収まらず、何度も島からの脱出をしようとするのだけど少しあがったところで風にまかれて戻ってきてしまう。
僕はこの鳥が途中からどうにも気になってしまって30分ほど見続けていたけど、一生懸命飛ぶもののほとんど位置は動いておらず、飛べる高さも段々低くなっていった。
不安なのかピーピー鳴くのだけど、仲間はもう飛去ってしまっており、親鳥らしいもう一羽だけが上空で旋回しながら返事を返していた…。

時間内で僕が見れたのはここまでだった。
この鳥が居る場所がもっと緑豊かな島なら餌を手に入れることで体力を回復させ、何とかなったかもしれないが悪いことにこの島は砂浜だけ。
多分、あの鳥はあのまま飛び立つことができず、どんどん弱っていってしまい最後には死んでしまうのだろう。
大空を自由に飛ぶことのできる鳥もタイミングを逸すると、いつも飛んでいるその空が自分を殺すことになってしまう。
野生の世界ではよくある光景なのだと思うけど、その小さな世界の厳しい現実をかみしめながら、自分の立ち位置を再度確認してみようと思ったのだった。
※このエントリーをアップした7月20日現在、まだ南風は収まっていないようだ。